犬のケンネルコフの症状と原因、治療法について

最終更新日:2024年07月08日

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犬のケンネルコフの症状

犬のケンネルコフの症状と原因

犬のケンネルコフとは、犬アデノウイルス2型や犬パラインフルエンザウイルスなどのウイルス感染や、細菌感染によって引き起こされる伝染性気管気管支炎です。この病気は、多数の犬が生活する飼育施設やペットショップで発生例が多く報告されています。ケンネルコフに感染している犬に接触すると、容易に伝染します。

次のような症状が犬に見られる場合はケンネルコフが疑われます。

  • 乾いた咳(せき)
  • 痰(たん)が絡んだような咳
  • 咳をした後に吐くようなしぐさをする
  • 鼻汁
  • 発熱

犬のケンネルコフは、感染すると約1週間の潜伏期間を経て、症状が現れます。発症初期は一日に数回咳をする程度の症状ですが、悪化すると咳の回数が増えていきます。ウイルス感染のみの場合は、重症化リスクは低いものの、細菌が二次感染すると徐々に症状が重くなるため、注意が必要です。

こんな症状が見られたらすぐに動物病院を受診

次のような症状が犬に見られる場合は、ケンネルコフが重症化しているおそれがあります。様子を見ずに、早めに動物病院を受診してください。

  • 咳が頻繁に出て、止まりにくい
  • 呼吸が荒い
  • 食欲がなく、ぐったりしている
  • 眼脂(がんし:目やに)や膿(うみ)の混じったような鼻汁が出る
  • 高熱が続いている

一日の咳の回数が数十回にもなり、止まりにくい場合や、高熱が出て、食欲や元気がない場合には、合併症として肺炎を引き起こす可能性があります。犬の肺炎は命にかかわる病気ですので、早期治療が大切です。

また、注意すべき重篤な感染症に、犬ジステンパーウイルス感染症が挙げられます。発症初期は風邪に似た症状ですが、神経症状や震えなどの全身症状を引き起こすと死亡率が高くなります。特効的な治療法がないため、対症療法しかありません。救命できても神経症状が残る場合が多いため、様子を見ずに、動物病院を早めに受診することが大切です。

犬がケンネルコフになる原因

犬がケンネルコフになる原因は、ウイルスや細菌などの病原体の単独感染、または混合感染です。代表的な病原体には次の6つがあります。

  • 犬アデノウイルス2型
  • 犬パラインフルエンザウイルス
  • 犬ヘルペスウイルス
  • ボルデテラ ブロンキセプティカ
  • マイコプラズマ
  • 犬ジステンパーウイルス

感染経路は、ケンネルコフを発症している犬の咳やくしゃみからの飛沫感染です。飼育施設やペットショップなど複数の犬が一緒に暮らす環境で起こりやすく、感染が広がりやすいのが特徴です。また、環境の変化、移動や温度差によるストレスなどが原因となり、犬の抵抗力が下がると、ウイルスや細菌に感染しやすくなります。その結果、ケンネルコフの発症リスクが高まります。

犬がウイルス感染した後に、細菌に二次感染すると、肺炎を引き起こす場合があります。

ケンネルコフにかかりやすい犬の特徴は?

ケンネルコフにかかりやすい犬種はありませんが、抵抗力や免疫力が弱い6週齢から6か月齢の子犬やシニア犬がかかりやすいと言われています。そのほかに環境変化、気温変化などストレスが多い環境が、感染のきっかけになる場合もあります。

犬のケンネルコフの治療法

犬のケンネルコフの治療法と予防法

検査内容

聴診

犬の呼吸器系のどの部位が一番炎症を起こしているか確認します。

X線検査

犬の気管・気管支・肺の状態を確認します。重症化している場合は、肺炎を併発していないか慎重に診断します。

血液検査

犬の血液中の白血球数やCRP(C反応性タンパク)を確認し、感染の程度や炎症の状態を把握します。

治療法

基本的に、犬の症状に合わせて以下の薬を処方する対症療法になります。

  • 咳止め薬
  • 抗生剤
  • 抗炎症薬
  • 気管支拡張薬
  • ネブライザー
    呼吸器系の病気に使用する吸入器。薬を水に混ぜ、霧状にしたものを呼吸とともに吸い込ませて、気管や肺の隅々まで薬を届ける方法

通院だけでは改善に時間がかかると獣医が判断した場合、集中的に治療するために入院措置になるケースもあります。特に肺炎を併発している場合には、入院での酸素吸入が必要です。

無治療の場合

犬の症状が軽い場合、積極的な治療を行わなくてもまれに治癒するケースが見られます。ただし、治療せずに放置した場合、症状が悪化し、肺炎のリスクが高まる可能性があります。

また、無治療で改善しても、後遺症として軽度の咳が残る場合があるため、気になる症状があるときは様子を見るのではなく、必ず動物病院を受診してください。

犬のケンネルコフの予防法

犬のケンネルコフは、細菌感染とウイルス感染により引き起こされる病気です。細菌感染の予防は難しいですが、ウイルス感染の予防にはワクチン接種が有効です。

犬アデノウイルス2型、犬パラインフルエンザウイルス、犬ジステンパーウイルスは、4種~8種混合ワクチンで予防できます。ワクチンを接種済みでも、ケンネルコフに100%感染しないとは限りませんが、抗体が獲得できるため、ウイルスが犬の体内に侵入しても重症化リスクを下げられます。

ケンネルコフにかかりやすい子犬は、環境の変化や移動などによるストレスに弱いため、できるだけストレスを与えないように気を付けましょう。また、ケンネルコフに感染している犬との接触を避け、感染犬が使用した器具をしっかり消毒するなど、日ごろからの感染予防が大切です。

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犬の感染症の病気

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。

PS保険

記事監修:ペットメディカルサポート株式会社

動物病院での実務経験をもつベテラン獣医師および動物看護師が多数在籍するペット保険の少額短期保険会社。スタッフ全員が動物好きなのはもちろんのこと、犬や猫といったペットを飼っている者も多いので、飼い主様と同じ目線に立ったサポートに取り組んでいます。