犬がバナナを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説
最終更新日:2024年07月08日
本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。
犬にバナナを与えても大丈夫です。ただし、バナナは糖質が多く、食べすぎは要注意です。ここでは、犬の体格ごとに与えていいバナナの量を始め、バナナの与え方について獣医師が詳しく解説します。
- バナナは犬が食べても大丈夫
- 犬に与えてもいいバナナの量
- 犬にバナナを与えるときの注意点
- どんなときにバナナを与えたらいいの?
- こんなときは犬にバナナを食べさせないこと
- まとめ「犬にバナナを与えるときは、小さく刻んでおやつ程度に」
バナナは犬が食べても大丈夫
バナナは愛犬におやつとして与えても問題ありません。しかもバナナは、以下のような犬の健康の維持に役立つ栄養成分を多く含んでいます。
バナナ1本(約100g)に含まれる栄養成分
たんぱく質(1.1g)
たんぱく質は犬にとって重要なエネルギー源です。毎日元気に生きていくために欠かせません。
ミネラル
ミネラルバランスが崩れると、体の細胞が正常に機能しなくなります。そのため、必要な量を常に摂取しなければなりません。バナナには以下のようなミネラルが含まれています。
- カリウム(360mg)
特に筋肉や神経の働きに影響します。カリウムが不足すると、うまく歩けなくなるといった症状や、食欲不振や元気消失につながります。
- マグネシウム(32mg)
特に心臓の働きや骨の形成に影響します。マグネシウムが不足すると、不整脈や骨が弱くなりやすく、ビタミンの吸収が悪くなります。
- カルシウム(6mg)
特に骨の成長と維持に影響します。カルシウムが不足すると、健康な骨を維持できません。
- 鉄(0.3mg)
特に体内の酸素の運搬をします。鉄が不足すると、血液中の赤血球がうまく作れなくなり、貧血といった症状が現れます。
ビタミン
ビタミンは体の代謝をスムーズにするために必要な成分です。バナナには、以下のようなビタミンが含まれています。
- ビタミンB1(0.05㎎)
特に神経の働きに影響します。ビタミンB1が不足すると、疲れやすくなる、うまく歩けない、発作を起こすといった症状につながります。
- ビタミンB2(0.04㎎)
特に体のエネルギー産生や皮膚の健康維持に影響します。ビタミンB2が不足すると、フケや脱毛といった症状につながることがあります。
犬に与えてもいいバナナの量
バナナ1本(約100g)に含まれるエネルギーは、約80~90kcalとされています。栄養価が高いバナナですが、糖分も多く含まれますので、犬には主食ではなく、おやつとして与えましょう。おやつは、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量です。
超小型犬(体重4kg未満)
1/4本まで
小型犬(体重10kg以下)
1/2本まで
中型犬(体重25kg未満)
1本まで
大型犬(体重25kg以上)
2本まで
※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって異なります。
※上記の量であっても一度には与えず、少しずつ与えましょう。
犬にバナナを与えるときの注意点
犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にバナナだけでは不十分です。そのためドッグフードを基本食として、バナナはそのほかのおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。その際には、与えるバナナの量をふまえてドッグフードの量を調整し、肥満にならないように気を付けましょう。
食材の処理の仕方
バナナは生のままで与えても問題ありません。ただし、犬によってはたくさんの量を一度に食べてしまうと、消化不良や便秘、腸閉塞などのリスクにつながります。そのため、愛犬の口や体の大きさに応じて、小さく切り分けて与えるようにしましょう。
バナナのここだけは犬に食べさせないで!
―犬にとって食べられない、適さないバナナの部位はありますか?
バナナの皮は犬が食べるものとして適していません。犬にとって危険な成分が含まれているわけでありませんが、消化が悪く、消化不良や腸閉塞などにつながります。
バナナの加工食品
―バナナの加工食品を犬に与えても問題ありませんか?
バナナの加工食品には風味を良くするため、糖分や油、添加物などが含まれているケースが多く見られます。そのため犬には与えないようにしましょう。
どんなときにバナナを与えたらいいの?
―犬にはどんなときにバナナを与えたらいいのでしょうか。
バナナは犬にとって必須の食べ物ではありませんが、例えば、愛犬に元気や食欲がない場合、一時的な栄養補給のひとつとして与えるといいでしょう。その際には、果肉部分をすりつぶすなどをして、なるべく消化のいいかたちで与えてください。ただし、あらかじめ獣医師に相談することをお勧めします。
愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート
愛犬の食事についての悩みは様々です。
上記以外の食べ物でも「こんなものは食べても大丈夫なの?」という疑問を持ったり、「愛犬が誤食をして様子がおかしい」、「もしかしたら危険なものを食べたかもしれない」などトラブルが突然起こることもあるかもしれません。
ペットメディカルサポート株式会社のペット保険「PS保険」では契約者サービスとして24時間365日、獣医師に電話で直接相談できる【獣医師ダイヤル】を提供していますので、そんなときにいつでも気軽に獣医師に相談できて安心です。
こんなときは犬にバナナを食べさせないこと
愛犬の体調によってバナナは適さない場合があります。
食事管理や利尿剤を飲んでいる犬
特に愛犬が持病の悪化防止のため食事管理をしている場合や、ミネラル分を調整する利尿剤を飲んでいる場合には、バナナを与える前に獣医師に相談してください。
例:糖尿病、慢性腎臓病、心臓病、慢性腸症、アトピー性皮膚炎など
アレルギー
バナナにもアレルギーを起こす犬は存在します。アレルギーを起こすと、食べた当日や1~2日後までに嘔吐や下痢、食欲不振などが多く見られます。そのため、愛犬に初めてバナナを与えるときは、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。
まとめ「犬にバナナを与えるときは、小さく刻んでおやつ程度に」
バナナは、犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれますが、バナナだけでは栄養に偏りが生じてしまいます。犬にバナナを与えるときは、アレルギーに注意し、量はおやつ程度、小さく刻んで喉に詰まらせないようにしましょう。
愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。
関連リンク
- 犬はいちごを食べられる?
- 犬はみかんを食べられる?
- 犬はメロンを食べられる?
- 犬はスイカを食べられる?
- 犬は柿を食べられる?
- 犬は桃を食べられる?
- 犬はパイナップルを食べられる?
- 犬はキウイを食べられる?
- 犬は梨を食べられる?
- 犬はブルーベリーを食べられる?
- 犬はマンゴーを食べられる?
- 犬は栗を食べられる?
犬種別の保険料
- 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
- ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
- 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
- アーフェンピンシャー
- アイリッシュ・ウルフハウンド
- アイリッシュ・セター
- 秋田
- アフガン・ハウンド
- アメリカン・コッカー・スパニエル
- アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
- アメリカン・ピット・ブルテリア
- アメリカン・フォックスハウンド
- アラスカン・マラミュート
- イタリアン・グレーハウンド
- イングリッシュ・コッカー・スパニエル
- イングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
- イングリッシュ・セター
- イングリッシュ・ポインター
- ウィペット
- ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- ウェルシュ・コーギー・カーディガン
- ウェルシュ・コーギー・ペンブローク
- ウェルシュ・スプリンガー・スパニエル
- ウェルシュ・テリア
- エアデール・テリア
- オーストラリアン・キャトル・ドッグ
- オーストラリアン・ケルピー
- オーストラリアン・シェパード
- オーストラリアン・シルキー・テリア
- オーストラリアン・テリア
- オールド・イングリッシュ・シープドッグ
カ行
- カーリーコーテッド・レトリーバー
- 甲斐
- カニーンヘン・ダックスフンド
- キースホンド/ジャーマン・ウルフスピッツ
- 紀州
- キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル
- キング・チャールズ・スパニエル
- グレート・デーン
- グレート・ピレニーズ
- グレーハウンド
- ケアーン・テリア
- ケリー・ブルー・テリア
- コーイケルホンディエ
- コーカサス・シープドッグ
- ゴードン・セター
- ゴールデン・レトリーバー
- コリア・ジンドー・ドッグ
- コリー
サ行~ナ行
サ行
- サモエド
- サルーキ
- シー・ズー
- シーリハム・テリア
- シェットランド・シープドッグ
- 四国
- 柴(小柴・豆柴も含む)
- シベリアン・ハスキー
- シャー・ペイ
- ジャーマン・シェパード・ドッグ
- ジャーマン・ポインター
- ジャイアント・シュナウザー
- ジャック・ラッセル・テリア
- スカイ・テリア
- スキッパーキ
- スコティッシュ・テリア
- スタッフォードシャー・ブル・テリア
- スタンダード・シュナウザー
- スタンダード・ダックスフンド
- スタンダード・プードル
- セント・バーナード
タ行
- ダルメシアン
- ダンディ・ディンモント・テリア
- チェサピーク・ベイ・レトリーバー
- チベタン・スパニエル
- チベタン・テリア
- チベタン・マスティフ
- チャイニーズ・クレステッド・ドッグ
- チャウ・チャウ
- チワワ
- 狆(ちん)
- トイ・プードル
- トイ・マンチェスター・テリア
- ドーベルマン
- ドゴ・アルヘンティーノ
- 土佐
ナ行
- ナポリタン・マスティフ
- 日本スピッツ
- 日本テリア
- ニューファンドランド
- ノーフォーク・テリア
- ノーリッチ・テリア
ハ行~ワ行・その他
ハ行
- バーニーズ・マウンテン・ドッグ
- パグ
- バセット・ハウンド
- バセンジー
- パピヨン
- ハリア
- ビアデッド・コリー
- ビーグル
- ビション・フリーゼ
- ブービエ・デ・フランダース
- プーミー
- プーリー
- プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
- プチ・バラバンソン
- フラットコーテッド・レトリーバー
- ブリタニー・スパニエル
- ブリュッセル・グリフォン
- ブル・テリア
- ブルドッグ
- ブルマスティフ
- フレンチ・ブルドッグ
- ペキニーズ
- ベドリントン・テリア
- ベルジアン・シェパード・ドッグ
- ボーダー・コリー
- ボーダー・テリア
- ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
- ボクサー
- ボストン・テリア
- 北海道
- ポメラニアン
- ポリッシュ・ローランド・シープドッグ
- ボルゾイ
- ボロニーズ
- ホワイト・シェパード・ドッグ
マ行
- マスティフ
- マルチーズ
- マンチェスター・テリア
- ミディアム・プードル
- ミニ・オーストラリアン・ブルドッグ
- ミニチュア・シュナウザー
- ミニチュア・ダックスフンド
- ミニチュア・ピンシャー
- ミニチュア・プードル
- ミニチュア・ブル・テリア
ヤ行
ラ行
- ラージ・ミュンスターレンダー
- ラサ・アプソ
- ラブラドール・レトリーバー
- レークランド・テリア
- レオンベルガー
- ローデシアン・リッジバック
- ロットワイラー
ワ行
ミックス犬(※1)
- 8か月未満:6kg未満
- 8か月以上:8kg未満
- 8か月未満:6kg以上~20kg未満
- 8か月以上:8kg以上~25kg未満
- 8か月未満:20kg以上
- 8か月以上:25kg以上
※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。