犬がバナナを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

犬にバナナを与えても大丈夫です。ただし、バナナは糖質が多く、食べすぎは要注意です。ここでは、犬の体格ごとに与えていいバナナの量を始め、バナナの与え方について獣医師が詳しく解説します。

犬がバナナを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

バナナは犬が食べても大丈夫

バナナは愛犬におやつとして与えても問題ありません。しかもバナナは、以下のような犬の健康の維持に役立つ栄養成分を多く含んでいます。

バナナ1本(約100g)に含まれる栄養成分

たんぱく質(1.1g)

たんぱく質は犬にとって重要なエネルギー源です。毎日元気に生きていくために欠かせません。

ミネラル

ミネラルバランスが崩れると、体の細胞が正常に機能しなくなります。そのため、必要な量を常に摂取しなければなりません。バナナには以下のようなミネラルが含まれています。

  • カリウム(360mg)

    特に筋肉や神経の働きに影響します。カリウムが不足すると、うまく歩けなくなるといった症状や、食欲不振や元気消失につながります。

  • マグネシウム(32mg)

    特に心臓の働きや骨の形成に影響します。マグネシウムが不足すると、不整脈や骨が弱くなりやすく、ビタミンの吸収が悪くなります。

  • カルシウム(6mg)

    特に骨の成長と維持に影響します。カルシウムが不足すると、健康な骨を維持できません。

  • 鉄(0.3mg)

    特に体内の酸素の運搬をします。鉄が不足すると、血液中の赤血球がうまく作れなくなり、貧血といった症状が現れます。

ビタミン

ビタミンは体の代謝をスムーズにするために必要な成分です。バナナには、以下のようなビタミンが含まれています。

  • ビタミンB1(0.05㎎)

    特に神経の働きに影響します。ビタミンB1が不足すると、疲れやすくなる、うまく歩けない、発作を起こすといった症状につながります。

  • ビタミンB2(0.04㎎)

    特に体のエネルギー産生や皮膚の健康維持に影響します。ビタミンB2が不足すると、フケや脱毛といった症状につながることがあります。

犬に与えてもいいバナナの量

犬に与えてもいいバナナの量

バナナ1本(約100g)に含まれるエネルギーは、約80~90kcalとされています。栄養価が高いバナナですが、糖分も多く含まれますので、犬には主食ではなく、おやつとして与えましょう。おやつは、一日の必要カロリーの10~20%分が許容量です。

超小型犬(体重4kg未満)

1/4本まで

小型犬(体重10kg以下)

1/2本まで

中型犬(体重25kg未満)

1本まで

大型犬(体重25kg以上)

2本まで

※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって異なります。
※上記の量であっても一度には与えず、少しずつ与えましょう。

犬にバナナを与えるときの注意点

犬にバナナを与えるときの注意点

犬に必要な栄養素は、総合栄養食と記載のあるドッグフードに十分含まれており、逆にバナナだけでは不十分です。そのためドッグフードを基本食として、バナナはそのほかのおやつ、またはご褒美として与えるようにしてください。その際には、与えるバナナの量をふまえてドッグフードの量を調整し、肥満にならないように気を付けましょう。

食材の処理の仕方

バナナは生のままで与えても問題ありません。ただし、犬によってはたくさんの量を一度に食べてしまうと、消化不良や便秘、腸閉塞などのリスクにつながります。そのため、愛犬の口や体の大きさに応じて、小さく切り分けて与えるようにしましょう。

バナナのここだけは犬に食べさせないで!

―犬にとって食べられない、適さないバナナの部位はありますか?

バナナの皮は犬が食べるものとして適していません。犬にとって危険な成分が含まれているわけでありませんが、消化が悪く、消化不良や腸閉塞などにつながります。

バナナの加工食品

―バナナの加工食品を犬に与えても問題ありませんか?

バナナの加工食品には風味を良くするため、糖分や油、添加物などが含まれているケースが多く見られます。そのため犬には与えないようにしましょう。

どんなときにバナナを与えたらいいの?

犬にバナナを与えるタイミングとは?

―犬にはどんなときにバナナを与えたらいいのでしょうか。

バナナは犬にとって必須の食べ物ではありませんが、例えば、愛犬に元気や食欲がない場合、一時的な栄養補給のひとつとして与えるといいでしょう。その際には、果肉部分をすりつぶすなどをして、なるべく消化のいいかたちで与えてください。ただし、あらかじめ獣医師に相談することをお勧めします。

愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート

愛犬の食事についての悩みは様々です。

上記以外の食べ物でも「こんなものは食べても大丈夫なの?」という疑問を持ったり、「愛犬が誤食をして様子がおかしい」、「もしかしたら危険なものを食べたかもしれない」などトラブルが突然起こることもあるかもしれません。

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犬の保険について

こんなときは犬にバナナを食べさせないこと

愛犬の体調によってバナナは適さない場合があります。

食事管理や利尿剤を飲んでいる犬

特に愛犬が持病の悪化防止のため食事管理をしている場合や、ミネラル分を調整する利尿剤を飲んでいる場合には、バナナを与える前に獣医師に相談してください。

例:糖尿病、慢性腎臓病、心臓病、慢性腸症、アトピー性皮膚炎など

アレルギー

バナナにもアレルギーを起こす犬は存在します。アレルギーを起こすと、食べた当日や1~2日後までに嘔吐や下痢、食欲不振などが多く見られます。そのため、愛犬に初めてバナナを与えるときは、少量にしておき、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。こうすると、万が一アレルギーを起こしたときの重症化を抑え、その原因を特定しやすくなります。

まとめ「犬にバナナを与えるときは、小さく刻んでおやつ程度に」

バナナは、犬の健康に役立つ栄養成分が豊富に含まれますが、バナナだけでは栄養に偏りが生じてしまいます。犬にバナナを与えるときは、アレルギーに注意し、量はおやつ程度、小さく刻んで喉に詰まらせないようにしましょう。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

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  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
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ア行~カ行犬の品種分類表
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サ行
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  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

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