犬が桃を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

最終更新日:2024年07月09日

本コンテンツは獣医師2名による確認を行い、制作をしております。

犬に桃を与えても大丈夫です。ただし、与えすぎは体に良くありませんし、アレルギーにも気を付ける必要があります。ここでは、犬の体格ごとに与えていい桃の量を始め、桃の与え方の注意点を獣医師が詳しく解説します。

犬が桃を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

桃は犬が食べても大丈夫

―桃を愛犬に与えてもいいのでしょうか。成分的に問題はありますか?

桃の果肉には犬が中毒を起こすような成分は含まれていないため、与えても基本的には問題ありません。

桃の約90%は水分ですが、ビタミンCやカリウム、食物繊維などさまざまな成分が含まれているため、犬の健康に良い効果をもたらしてくれます。

  • ビタミンC

    ビタミンCは活性酸素によるダメージから体を守ってくれる「抗酸化作用」をもっていて、老化を予防してくれる効果があります。また、激しい運動後にも活性酸素が発生するため、運動後に起こる筋肉の損傷を防ぐ効果もあります。

  • カリウム

    ミネラルの一種で、塩分を排出したり、筋肉の収縮や神経の情報伝達を正常に保ったりする働きがあります。

  • 食物繊維

    桃には水溶性食物繊維である「ペクチン」を始め、多くの食物繊維が含まれています。犬は食物繊維を消化しにくいのですが、ペクチンは犬でも消化しやすい食物繊維で、お腹の調子を整える効果があります。

犬に与えてもいい桃の量

犬に与えてもいい桃の量

―犬に与えてもいい桃の量を教えてください。

桃は犬にとっておやつの位置付けとなります。犬におやつを与える場合は、一日に必要なカロリーの10%までに抑えるといいとされています。桃のカロリーは約40kcal/100gと低カロリーで、約90%が水分であり、食物繊維が100gあたり1.3gと豊富です。そのことを加味し、以下の量を目安に与えるようにしましょう。

超小型犬(体重4kg未満)

ひと切れ(約25g)

小型犬(体重10kg以下)

3切れ(約75g)

中型犬(体重25kg未満)

6切れ(約150g)

大型犬(体重25kg以上)

7切れ~(約175g~)

※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量などによって異なります。

―犬にとって桃が健康にいいなら、たくさん食べさせたくなります。

どんなに健康にいい成分でも、取りすぎはかえって健康を損なうおそれがあります。特に桃は水分や食物繊維が多いため、食べすぎると下痢を引き起こすリスクがあります。

また、桃をたくさん食べお腹がいっぱいになり、主食であるドッグフードを食べる量が減ることも考えられます。さらには、桃は犬にとって甘くておいしい食べ物なので、味をしめて偏食を起こす可能性もあります。

ドッグフードには一日に必要な栄養が、バランスよく配合されているため、食べる量が減ってしまうと、栄養バランスが崩れてしまいます。桃はあくまでおやつの位置付けとし、与えすぎに注意して、ドッグフードを食べる量に影響が出ない程度にとどめるようにしましょう。

犬に桃を与えるときの注意点

犬に桃を与えるときの注意点

食材の処理の仕方

―愛犬に桃を食べさせるときに注意することはありますか?

桃は生のまま食べさせても問題ありません。果肉はやわらかいですが、小型犬や普段から食べ物をよく噛まない犬には、小さく刻んでから与えるようにしましょう。そうすることで、喉に詰まらせる心配がなくなります。

桃のここだけは犬に食べさせないで!

―犬にとって食べられない、適さない桃の部位はありますか?

最も注意しなければならない部位が「種」です。まず、桃の種の中心部分には「アミグダリン」という成分が含まれています。このアミグダリンが犬の体内に入ると、青酸ガスが発生し、中毒を起こす危険性があります。

また、桃の種を誤飲してしまうと、腸に詰まり、最悪の場合、死に至ることもあります。そのため、必ず種を取り除いてから与えるようにしましょう。

桃の皮は絶対に食べさせてはいけない部位ではありませんが、あまり消化に良くないので、皮を剥いてから与えるようにしましょう。

アレルギー

桃は厚生労働省が「アレルギー症状を引き起こす特定原材料に準じる20品目」のひとつとして挙げている食品であり、アレルギーを起こしやすい食べ物だと認識している方は多いかもしれません。犬も人間同様、桃に対してアレルギー症状を引き起こす可能性があるため、初めて桃を与える際は、体調の変化がないか様子を見て、少量から与えるようにしましょう。

桃の加工食品

―桃の加工食品、ジュースや缶詰などを犬に与えても問題ありませんか?

桃は旬の時期でなければなかなか手に入らないため、桃のゼリーやコンポート、ジュース、缶詰などを与えたいと考える方がいるかもしれません。

しかし、これらの食品には砂糖が多く使われているため、犬に与えてしまうと肥満につながるリスクがあります。肥満は心臓や関節など体のあらゆる部分に負担をかけてしまうため、結果的に愛犬を苦しめることにつながります。桃からしか摂取できない栄養成分はないため、桃を使った加工食品は愛犬に与えないようにしましょう。

愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート

愛犬の食事についての悩みは様々です。

上記以外の食べ物でも「こんなものは食べても大丈夫なの?」という疑問を持ったり、「愛犬が誤食をして様子がおかしい」、「もしかしたら危険なものを食べたかもしれない」などトラブルが突然起こることもあるかもしれません。

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犬の保険について

こんなときは犬に桃を食べさせないこと

こんなときは犬に桃を食べさせないこと

バラ科の果物やカバノキ科の樹木にアレルギーがある犬

―どんな場合には、犬に桃を食べさせないほうがいいのでしょうか。

桃はバラ科の果物なので、リンゴやイチゴ、ナシなど、ほかのバラ科の果物に対してアレルギーをもっている場合は、桃に対してもアレルギー反応を示す可能性があります。

また、カバノキ科のシラカバやハンノキなどにアレルギーを持っている場合にも、桃に対してアレルギー反応を示す可能性が高いため、桃を与えないほうが安心です。

まとめ「桃はアレルギーに注意し、おやつとして与える」

犬にとって桃はおいしく、ペクチンのようなお腹の調子を整える成分が含まれています。しかし、桃は厚生労働省が「アレルギー症状を引き起こす特定原材料に準じる20品目」のひとつとして挙げている食品です。そのため、初めて与える際はアレルギー反応に注意して、少量から与えるようにしましょう。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

関連リンク

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。