犬がマンゴーを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

犬にマンゴーを与えても大丈夫です。ただし、マンゴーの食べすぎはよくありませんし、体質的に不向きな場合もあります。ここでは、犬の体格ごとに与えていいマンゴーの量を始め、マンゴーの与え方の注意点を獣医師が詳しく解説します。

犬がマンゴーを食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

マンゴーは犬が食べても大丈夫

―マンゴーを愛犬に与えてもいいのでしょうか。成分的に問題はありますか?

愛犬にマンゴーを与えても問題ありません。マンゴーは甘みが強く、愛犬が喜ぶおやつになるでしょう。マンゴーは100g中およそ82gが水分ですが、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、葉酸、カリウム、食物繊維など、犬の健康づくりに効果的な栄養素も多く含まれています。

  • βカロテン

    βカロテンは、体の中でビタミンAに変換される栄養素で、眼の粘膜や皮膚の状態を健康に保つ手助けをしてくれます。抗酸化作用があるため、免疫力アップや老化防止も期待できます。ただし、過剰摂取は肝臓に負担がかかるため、与えすぎには注意しましょう。

  • ビタミンC

    ビタミンCも抗酸化作用がある栄養素です。犬は自身の体内でビタミンCを合成できるため、摂取は必須ではありませんが、老化に伴いビタミンC不足になる場合があります。そのため、老犬にビタミンC補給の目的でマンゴーを与えるのもいいでしょう。

  • ビタミンE

    ビタミンEも抗酸化作用がよく知られています。ビタミンAやビタミンCと同様に、免疫力向上や老化防止の効果があります。

  • 葉酸

    葉酸はビタミンB群のひとつです。赤血球の生産を助け、細胞の生産や再生を促すなどの働きがあります。

  • カリウム

    カリウムには塩分を体の外に出す働きがある栄養素です。また、細胞や神経が正常に働くサポートもします。

  • 食物繊維

    食物繊維は、腸の働きや蠕動運動(読み:ぜんどう。意味:内容物を運ぶ動き)を助けてくれます。腸の中の状態が整うため、スムーズな便通が期待できます。ただし、たくさん取りすぎると消化器の働きを妨げ、下痢を始めとする消化器症状を引き起こす場合もあるため、与える量には注意しましょう。

犬に与えてもいいマンゴーの量

犬に与えてもいいマンゴーの量

―犬に与えてもいいマンゴーの量を教えてください。

犬に与えるおやつの適量は、一日分の摂取カロリー量の10%程度ですが、これはあくまでも目安です。マンゴーを与えるときは少量から始めましょう。また、体調や年齢に応じてちょうどいい量は変わるため、愛犬の状態をしっかり把握してから与えてください。

次に、犬の体重別にマンゴーの目安量を紹介します。

超小型犬(体重4kg未満)

およそ5~11g
マンゴーひと切れくらい

小型犬(体重10kg以下)

およそ30g以下
マンゴーMサイズの6分の1程度

中型犬(体重25kg未満)

およそ50g以下
マンゴーMサイズの4分の1程度

大型犬(体重25kg以上)

およそ50g~80g
マンゴーMサイズの半分以下

※上記の量はおおよその目安であり、実際の体格や運動量などによって多少前後します。
※マンゴーMサイズは、180g程度として計算してあります。

―犬にとってマンゴーが健康にいいなら、たくさん食べさせたくなります。

体にうれしい栄養素が豊富で、水分補給にもなるマンゴーですが、与えすぎは健康リスクが高まるため、注意しなければいけません。

マンゴーは100gあたり68kcalと高カロリーのため、与えすぎると肥満につながります。また、とても甘味が強いので、癖になって普段食べているドッグフードを食べなくなってしまう可能性もあります。マンゴーはあくまでおやつであり、適量を与えることが大切です。

犬にマンゴーを与えるときの注意点

犬にマンゴーを与えるときの注意点

食材の処理の仕方

―愛犬にマンゴーを食べさせるときに注意することはありますか?

マンゴーを愛犬に与えるときは、細かく切ってあげましょう。犬は食べ物をかまずに飲みこんでしまうことが多く、大きい塊は消化されにくいためです。

マンゴーのここだけは犬に食べさせないで!

―犬にとって食べられない、適さないマンゴーの部位はありますか?

犬にマンゴーを与える場合、皮や種は必ず取り除きましょう。マンゴーを種や皮ごと与えてしまうと、喉を詰まらせる原因になります。

アレルギー

愛犬がマンゴーを食べた後、発疹やかゆみなどの皮膚症状や、嘔吐・下痢などの消化器症状が見られた場合は、すぐに与えるのを中止してください。また、初めてマンゴーを与えるときは少量にして、異常がないことを確認しましょう。

マンゴーの加工食品

―マンゴーの加工食品、ジュースや缶詰などを犬に与えても問題ありませんか?

人間用に作られているマンゴーの加工食品は、砂糖が含まれている場合が多々あります。砂糖は犬の肥満や糖尿病などの健康リスクを高めますので、基本的に犬には与えないようにしましょう。また、マンゴーのドライフルーツの中にも砂糖を使用している商品があるため、原材料の表示をよく確認することが大切です。

どんなときにマンゴーを与えたらいいの?

―犬にはどんなときにマンゴーを与えたらいいのでしょうか。

マンゴーには水分が豊富に含まれていますので、夏場に熱中症対策として与えるのがおすすめです。また、暑い時期には、冷凍したマンゴーを喜ぶでしょう。ただし、与えすぎるとお腹を壊す可能性もありますので、量には注意しましょう。

愛犬の急なトラブルに、24時間365日、獣医師が電話で直接サポート

愛犬の食事についての悩みは様々です。

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犬の保険について

こんなときは犬にマンゴーを食べさせないこと

こんなときは犬にマンゴーを食べさせないこと

―どんな場合には、犬にマンゴーを食べさせないほうがいいのでしょうか。

嘔吐や下痢などの症状が見られるなど、愛犬の体調が良くないときにはマンゴーを与えないようにしましょう。

食事アレルギーを指摘されている場合

愛犬に皮膚症状や消化器症状が出ている場合、または食事アレルギーの可能性がある場合は、マンゴーを与えないでください。また、食事アレルギーのために食事制限をしているときにマンゴーを与えると、食事制限の効果がなくなってしまう可能性があります。どうしても与えたいときは獣医師に相談しましょう。

尿路結石を指摘されている場合

愛犬に尿路結石があり、療法食を与えている場合もマンゴーは食べさせないようにしましょう。ほかの食べ物を与えると、尿路結石用の食事の効果がなくなってしまう可能性があるためです。

まとめ「犬にとってマンゴーは水分補給にぴったり。ただし、与えすぎに注意」

甘く、水分や栄養が豊富なマンゴーは、犬の水分補給にぴったりでおやつとして与えることができます。愛犬に与えるときは少量から試し、体格に合った量を守りましょう。与えすぎは、下痢や肥満などの原因になるので注意が必要です。皮膚症状や消化器症状がある場合や、アレルギーや持病の治療中も食べさせないように気を付けてください。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

関連リンク

犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。