犬が梨を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

犬が梨を食べても大丈夫です。梨にはさまざまな栄養成分が含まれており、水分補給に適しています。ただし、与えすぎは良くありません。ここでは、犬の体格ごとに与えていい梨の量を始め、梨の与え方の注意点と獣医師が詳しく解説します。

犬が梨を食べても大丈夫。与え方の注意点を獣医が解説

梨は犬が食べても大丈夫

梨はおやつとして、犬に与えてもいい食べ物です。

梨には以下のような犬の健康維持に役立つ栄養成分が含まれています。

梨(100g)に含まれる栄養成分

水分(88g)

梨の約9割は水分です。犬の体内の水分が不足すると、食欲不振、元気消失、嘔吐、下痢といった脱水症状につながります。

ミネラル

ミネラルは、犬の体のあらゆる組織を健康に保つために必要な栄養素です。

  • カリウム(140mg)

    カリウムは、全身の細胞が正常に働くために必要なミネラルです。特に筋肉、神経の機能を正常に保ち、体のエネルギー代謝調整に効果を発揮します。また、カリウムが不足すると、うまく歩けなくなる、食欲不振、元気消失などの症状につながります。

食物繊維(0.9g)

梨は水に溶ける食物繊維を含みます。この水溶性食物繊維は、腸内環境を改善させ、正常な腸の機能を保ちます。

たんぱく質分解酵素

  • プロテアーゼ

    梨には、たんぱく質の消化を助けるプロテアーゼという酵素が含まれおり、消化機能の向上効果が期待できます。また、梨には疲労回復に役立つクエン酸や、リンゴ酸、アスパラギン酸なども含まれています。

犬に与えてもいい梨の量

犬に与えてもいい梨の量

梨100gに含まれるエネルギーは、約40kcalとされています。梨には健康維持に有益な栄養素が含まれていますが、与えすぎは体に良くありません。

そこで、梨はおやつとして与えるようにし、犬の体格によって量を調整しましょう。犬の体格ごとの一日に与えてもいい梨の量は以下が目安です。

超小型犬(体重4kg未満)

1/10個まで

小型犬(体重10kg以下)

1/5個まで

中型犬(体重25kg未満)

1/4個まで

大型犬(体重25kg以上)

1/3個まで

※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量、健康状態によって異なります。

また、梨は低カロリーですが、梨を与えた日にはドッグフードの量を調整し、犬の一日に必要なカロリーを大きく超えないように気を付けましょう。

犬に梨を与えるときの注意点

犬に梨を与えるときの注意点

梨は愛犬の健康維持に役立つ成分を含みますが、食べすぎは良くありません。水分や食物繊維の取りすぎは、腹痛や下痢、便秘につながることがあります。

また、梨はビタミンをあまり含まず、犬の一日に必要な栄養素を十分に摂取できる食べ物ではありません。そのため、梨はおやつとして、もしくは主食のトッピングとして与えるようにしましょう。

食材の処理の仕方

人と同じように、愛犬も生の梨を食べられます。油や調味料などを加えなければ、梨を調理して愛犬に与えても問題はありません。ただし、梨は犬が好む味のため、一気に飲み込んで胃腸に詰まってしまい、消化不良を起こす可能性があるので注意が必要です。犬に梨を与えるときは、小さく刻んで、少しずつ与えるようにしましょう。

梨のここだけは犬に食べさせないで!

犬に梨を与えるときは、皮や芯、種は取り除いて、果肉の部分だけを与えるようにしましょう。皮や芯は硬いため消化に適していません。また、種にはアミグダリンという犬の健康に悪影響を及ぼす物質が含まれています。

さらには、未熟な梨の果肉部分にもアミグダリンが含まれていることがあるので、犬には熟した梨を与えましょう。

梨の加工食品

梨を原料とした加工食品やジュースの中には、犬にとって過剰な糖分や油が添加されていることが多いので、与えないようにしましょう。ただし、犬用として販売されているものは与えて大丈夫です。

アレルギー

梨を食べてから数分~二日後までに口周りのかゆみ、嘔吐、下痢、食欲不振などが起こる場合には、梨に対してアレルギーをもっている、または、体質に合っていない可能性があります。

犬に初めて梨を与えるときは少量にして、ほかに新しい食べ物を与えないようにしましょう。また、初めて梨を食べたあとの数時間は、愛犬の体調に変化がないか観察してください。

どんなときに梨を与えたらいいの?

梨は水分を多く含むので、脱水時の水分補給として与えることができます。例えば、食欲が落ちているときや、暑い日の散歩のあとには、効率的に水分補給をさせるために、梨をすりつぶして与えるといいでしょう。

ただし、愛犬の体調にもよるので、あらかじめ獣医師に相談することをおすすめします。

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犬の保険について

こんなときは犬に梨を食べさせないこと

こんなときは犬に梨を食べさせないこと

持病がある場合、食事制限や利尿剤を服用している場合

梨は一般的に犬が食べても問題のない果物ですが、愛犬の体調によっては適さない場合があります。特に、犬に持病ある場合や、食事管理をしているときは、与えないほうがいいでしょう。また、日ごろ利尿剤を服用している場合は、梨を与える前に獣医師に相談してください。

持病例:副腎皮質機能亢進症、副腎皮質機能低下症、糖尿病、慢性腎臓病、心臓病、慢性腸症など

まとめ「犬に梨を与えるときは、細かく刻んで適量を」

梨には犬の健康に有益な栄養成分が含まれており、水分補給手段としても優秀です。ただし、与えすぎは下痢のような消化器症状を引き起こすおそれがあります。梨を与える際は、細かく刻んで適量を与えるようにしましょう。

愛犬に食べさせていいかを迷ったり、何かを食べて具合が悪くなったかもしれないと思ったりしたら、獣医師監修の「犬が食べても大丈夫なもの」「犬が食べてはいけない危険な食べ物」を併せてご覧ください。

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犬の保険について

犬種別の保険料

  • 純血犬は、犬種により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類され、それぞれ保険料が異なります。犬種の区分については、「犬種分類表」をご確認ください。
  • ミックス犬の保険料は、年齢と体重により「小型犬」「中型犬」「大型犬」の3つに分類します。詳しくは、「犬種分類表」の「ミックス犬」の欄をご確認ください。
  • 猫の場合は、品種によらず純血猫もミックス猫もすべて同じ保険料です。
ア行~カ行犬の品種分類表
ア行
カ行
サ行~ナ行
サ行
タ行
ナ行
ハ行~ワ行・その他
ハ行
マ行
ヤ行
ラ行
ワ行
ミックス犬(※1)
  • 8か月未満:6kg未満
  • 8か月以上:8kg未満
  • 8か月未満:6kg以上~20kg未満
  • 8か月以上:8kg以上~25kg未満
  • 8か月未満:20kg以上
  • 8か月以上:25kg以上

※ 「犬種分類表」に記載のない犬種の分類につきましては別途お問い合わせ下さい。